XM(XMTrading)のスプレッドは比較すると広いの?

XM(XMTrading)のスプレッドは比較すると広いの?

XM(XMTrading)の主要クロス円の平均スプレッドは、ドル円~1.6pips、ユーロ円~2.2pips、ポンド円~3.6pips、豪ドル円3~.3pipsと他社と比較するとやや広めだ。

なお、スプレッドがゼロのXMTrading Zero口座は、ドル円平均スプレッドは0.1pipsと業界最狭水準に達しているものの、1ロットあたり往復10ドルの取引手数料が発生する。つまり、10万通貨の売買をすると1,100円の手数料を支払うことになる(1ドル=110円の場合)。

本ページではトレードの判断材料として、XMTradingのスプレッドを確認するとともに確認方法や計算方法を解説する。

コンテンツ

XMTradingはスプレッドが広いのか

まず、XMTradingはスプレッドが広いとして有名であるが、それは事実だ。

似たスペックの海外FXスプレッドと比較すると確かに広いが、数pips狙いのスキャルピング以外はそこまで気にならないとFXPEDIA編集部は満場一致の意見だった。スキャルピングをメインに行うのであれば、Zero口座の利用を視野に入れるべきだろう。

XMTradingのスプレッドが広い理由は主に「注文方式(執行方式)」と「スリップページ」が関係している。

XMTradingでは、NDD Instant方式を採用している。ブローカーがトレーダーからの注文を直接インターバンクに流す方式で、透明性が高いがブローカーはスプレッドで利益を得る必要がある。

またインターネットを介しての取引はスリッページが付き物だ。ある程度の幅を持たせないと注文が滑ることが起こり、他社ブローカーでは頻繁に起こることもあるが、XMTradingは安定している。

XMTradingのスプレッドを狭くする方法としてボーナスの活用などの方法が紹介されているが、あくまでボーナスはボーナスというのが編集部の見解だ。ブローカーに求めることによって選択も変わるが、安定性を求めるのであればスプレッドが広い理由を理解し受け入れることが必要だろう。

XMTradingのスプレッド一覧

XMTradingの公式ホームページで公開されているスプレッド一覧を掲載している。なお、変動制のスプレッドを採用しているため、スプレッドは一定ではなく平均スプレッドになる。

FX通貨ペア

通貨ペア
スタンダード
マイクロ
Zero
AUDCAD0.00030.00030.0001
AUDCHF0.00030.00030.00011
AUDJPY0.0330.0330.012
AUDNZD0.00040.00040.00017
AUDUSD0.000180.000180.00004
CADCHF0.000370.000370.00019
CADJPY0.0340.0340.014
CHFJPY0.0330.0330.011
CHFSGD0.00310.00310.00235
EURAUD0.00030.00030.00009
EURCAD0.00030.00030.00009
EURCHF0.000270.000270.00009
EURDKK0.00390.00390.00225
EURGBP0.00020.00020.00003
EURHKD0.00450.00450.002
EURHUF0.590.590.49
EURJPY0.0230.0230.004
EURNOK0.013550.013550.0116
EURNZD0.00040.00040.00027
EURPLN0.00650.00650.005
EURRUB0.4560.4560.364
EURSEK0.00990.00990.0076
EURSGD0.00170.00170.0009
EURTRY0.0180.0180.017
EURUSD0.000170.000170.00001
EURZAR0.02410.02410.0201
GBPAUD0.000380.000380.0002
GBPCAD0.00050.00050.00022
GBPCHF0.000460.000460.0002
GBPDKK0.0120.0120.00885
GBPJPY0.0360.0360.012
GBPNOK0.02160.02160.0173
GBPNZD0.00070.00070.00043
GBPSEK0.01340.01340.0105
GBPSGD0.00310.00310.0014
GBPUSD0.000220.000220.00003
NZDCAD0.000410.000410.00019
NZDCHF0.00040.00040.00027
NZDJPY0.030.030.02
NZDSGD0.00280.00280.002
NZDUSD0.000270.000270.0001
SGDJPY0.20.20.143
USDCAD0.000220.000220.00005
USDCHF0.000210.000210.00004
USDCNH0.00360.0036#N/A
USDDKK0.00360.00360.0012
USDHKD0.00280.00280.0013
USDHUF0.510.510.4
USDJPY0.0160.0160.001
USDMXN0.02390.02390.0166
USDNOK0.01280.01280.0096
USDPLN0.00520.00520.00319
USDRUB0.4370.4370.306
USDSEK0.00820.00820.0065
USDSGD0.00210.00210.0015
USDTRY0.0220.0220.021
USDZAR0.01580.01580.0117

基本的にメジャー通貨ペアと呼ばれる流通量の多い通貨ペアはスプレッドが小さく設定されている。スキャルピングなどの短期取引は「EUR/USD」や「USD/JPY」などスプレッドが狭くチャートの動きがしっかりしている通貨ペアを選択すればスプレッドの影響は少ないだろう。

一方、XMTradingの通貨ペアの中にはスプレッドが広くても為替レートの関係で取引コストが安い通貨ペアも存在する。取引方法にもよるが、取引コストを気にするのならばスプレッドの広さ以外にも着目すべきだろう。

貴金属CFD通貨ペア

通貨ペア
スタンダード
マイクロ
Zero
GOLD0.350.350.21
SILVER0.0350.350.02

人気のあるGOLDはメジャー通貨ペアと比べるとスプレッドが広いが、NDD方式のブローカーでは平均的なスプレッドだ。

コモディティCFD商品

シンボル
最低価格変動
値動きの最小値
最低スプレッド
CORN0.0001USD 0.040.01
WHEAT0.0001USD 0.040.015
SBEAN0.0001USD 0.040.0185
HGCOP0.0001USD 0.20.0047
COCOA1USD 19
COFFE0.0001USD 10.005
SUGAR0.0001USD 10.0006
COTTO0.0001USD 10.003

先物株価指数CFD商品

シンボル
最低変動価格
最低スプレッド
JP225Cash16
FRA40Cash0.011
US30Cash0.012.5
EU50Cash0.011.5
UK100Cash0.011
US500Cash0.010.4
US100Cash0.011
SWI20Cash0.013
NETH25Cash0.010.3
IT40Cash110
HK50Cash110
SPAIN35Cash15
AUS200Cash0.012
GER40Cash0.011

現物株価指数CFD商品

シンボル
最低変動価格
最低スプレッド
FRA400.012
US300.015
UK1000.014
JP225116
US5000.010.8
US1000.013
SWI200.016
EU500.13
USDX0.0010.05
GER400.012

株価指数は基本的に現物株価指数CFD商品の方がスプレッドは狭い傾向にある。

エネルギーCFD商品

シンボル
最低価格変動
値動きの最小値
最低スプレッド
OIL0.01USD 10.03
NGAS0.001USD 10.03
OILMn0.01USD 0.10.03
GSOIL0.01USD 0.041.2
BRENT0.01USD 10.03

リアルタイムスプレッドの確認方法

XMTradingのリアルタイムスプレッドはMT4・MT5で確認することが可能だ。

XMTrading 気配値開き方

MT4・MT5にログインしたら画面右上の「表示」から「気配値表示」を選ぶか、気配値のアイコンをクリックすると気配値が開く事ができる。デフォルトの状態だとスプレッドが表示されていないため、表示方法を変更する必要がある。

XMTrading スプレッド表示方法

気配値ウィンドウ上で右クリックすると、このように設定画面がポップアップする。この設定の中から「スプレッド」を選択すると自分が表示している通貨ペアのリアルタイムスプレッドを見ることができる。

XMTrading リアルタイムスプレッド表示

アプリ版MT4・MT5の場合は気配値画面に移動し任意の通貨ペアをタップすると選択画面が表示される。

  • MT4の場合:「アドバンスビューモード」
  • MT5の場合:「詳細モード」
XMTrading アプリ版MT4リアルタイムスプレッド

選択画面で上記の項目を選ぶと画像のようにリアルタイムスプレッドが見られるようになる。

スプレッド計算方法

ここではスプレッドを日本円に換算する計算方法を紹介する。エントリーする際のLot数を決める場合や資金管理に役立ててほしい。

クロス円の場合

クロス円の計算式

取引量(通貨単位)×スプレッド=取引コスト

計算例
  • 銘柄:USD/JPY
  • 取引量:10万通貨
  • スプレッド:0.016
答え

100,000×0.016=1,600円

その他の通貨ペアの場合

その他の通貨ペアの計算式

取引量(通貨単位)×スプレッド×決済通貨と日本円の為替レート=取引コスト

計算例
  • 銘柄:EUR/USD
  • 取引量:10万通貨
  • スプレッド:0.00017
  • 為替レート:109.544
答え

100,000×0.00017×109.544=約1,862円

株価指数CFDの場合

株価指数CFDの計算方法

株価指数のスプレッド単位はpointで表示される。1point=株価指数の該当国の1通貨

計算例

JP255の場合

  • 通貨:円
  • スプレッド:12point

US30の場合

  • 通貨:米ドル
  • スプレッド:2.8point(ドル換算で2.8ドル)
  • 為替レート109.544の時
答え
  1. JP255:12円
  2. US30:2.8×109.544=約308円

コモディティCFD・エネルギーCFDの場合

コモディティCFD・エネルギーCFDの計算方法
  1. 「スプレッド」を「最低価格変動」で割り算を行いスプレッドをPips表示に変更
  2. スプレッド(Pips)×「値動きの最小値」×取引量(Lot単位)=ドル換算のスプレッド
  3. ドル換算のスプレッド×現在の為替レート=取引コスト
計算例
  • 銘柄:CORN 1Lot
  • スプレッド:0.0275
  • 最低価格変動:0.0001
  • 値動きの最小値:0.04
  • 為替レート:109.544
答え
  1. 0.0275÷0.0001=275Pips
  2. 275×0.04×1=11ドル
  3. 11×109.544=約1,205円

XMのスプレッドが広がる時間帯とタイミング

変動スプレッドを採用しているXMTradingのスプレッドは常に変化しているが、その中でもスプレッドが広がりやすい時間帯とタイミングがある。

・経済指標発表の前後
・取引量が少ない時間帯

スプレッドが広がる大きな原因に通貨ペアの流動性が関わっている。そもそも自分が売りたい通貨を買ってくれる相手がいなければ取引が成り立たないのが基本だ。

しかし上記2つの時間帯は取引の相手が見つかりにくい、つまり流動性が低い状態になりやすい。そうなると、注文を受けたブローカーが受けた注文をインターバンクに流せずに損失を受けるリスクが発生する。このリスクを回避するためにスプレッドを広げて対応することになる。

経済指標発表の前後

アメリカの雇用統計など重要な経済指標の前後はスプレッドが広がる可能性が高いタイミングだ。

重要な経済指標発表前

突発的な動きに備え投資家は取引を控える → 取引参加者が減る為流動性が下がる

重要な経済指標発表後

価格が一方向に大きく動き、売り手買い手のバランスが取れなくなる。つまりブローカーが注文をさばけなくなり損失を受ける可能性があるためスプレッドを広げてカバーしている

重要度が高い経済指標は発表前後30分から1時間はスプレッドが広いことを認識して取引する必要があるだろう。また経済指標とは別に突発的な世界情勢の変化、要人発言で相場が一方向に大きく動く場合もスプレッドは広がりやすい。レバレッジ規制がかかる可能性があることにも注意が必要だ。XMtradingのレバレッジを参照。

取引量が少ない時間帯

取引量が少ない時間帯とは、取引参加者が少なく流動性が低い時間帯の事である。

FXは24時間取引可能だが日本市場、ロンドン市場、ニューヨーク市場が開いていない時間帯は極端に取引参加者が少なくなる。具体的には日本時間の朝5時頃から8時半ごろまでの時間帯は注文を出しても受けてくれる相手が少ない時間帯と言える。

そのためブローカーはスプレッドを広げ「約定」の幅を広げることで損失を回避しているわけだ。ただし、株価指数CFD商品については通貨ペアの場合とスプレッドが広がる時間が異なる。

株の場合はFXと違い、該当銘柄を取り扱っている取引所が実在し、取引所がクローズしてしまうと取引量が減る商品だ。そのため、株価指数CFD商品で取引する場合は該当銘柄がどの証券取引所で扱っているか確認し、その取引所がオープンしている時間帯のみに取引したほうが得策だ。

また年末年始やクリスマス時期など世界単位で休みが多くなる時期も流動性が低くなり、スプレッドは広めになるので覚えてくべきだ。

よくある質問(FAQ)

ゼロ口座のスプレッドは本当に狭いのか

ゼロ口座は非常に狭いスプレッドで取引できるが、1ロットで10ドル(往復)の取引手数料が必要になってくる。そのため、現在のスプレッドに1Pipsを加えた値が実際の取引コストと言えよう。

通貨ペア スタンダード口座
マイクロ口座
Zero口座
(平均スプレッド+1Pips)
USD/JPY1.6Pips1.1Pips
EUR/USD1.6Pips1.1Pips
GBP/USD2.0Pips1.3Pips
AUD/USD1.8Pips1.4Pips
EUR/JPY2.1Pips1.4Pips

メジャー通貨ペアから数個ピックアップし実際の取引コストを比べたが、このようにZero口座は取引手数料をプラスしてもスタンダード・マイクロ口座より取引コストが低いことがわかる。ただし、ゼロ口座も変動スプレッドを採用しているので、スプレッドの広がる時間帯には注意し、取引コストが安い利点を最大限に生かしてほしい。

取引プラットフォームによってスプレッドは違うのか

取引プラットフォームでスプレッドの違いは無い。しかし通信状況によっては約定がずれるスリッページが発生する可能性があるため、スキャルピングなどの短期取引の場合は取引環境をしっかり整えて取引したほうが得策だろう。

ただしデモ口座だけはサーバーが違うため、スプレッドが若干異なる場合がある。

総評

スプレッドの広さだけを見た場合、XMTradingはNDD方式を採用している事もあり、スプレッドは広いと言える。

しかし、他のFXブローカーと競争力がないと言う程広いわけではない。それでもスプレッドが気になるのならDD方式を採用しているFXブローカーや国内口座を利用した方が良いだろう。

トレードをする上でスプレッドの広い、狭いは確かに重要な部分だが、それ以外の約定力や信用、入出金の安全性等を総合的に判断してブローカーを決めることが大切だ。日をまたぐデイ・スイングトレードをメインしているのであれば、スプレッドよりスワップポイントを気にすべきだろう。XMTradingのスワップポイントを参照。

また、どの業者を使っても起こりうるスプレッドが広がるタイミング、時間帯をよく理解するとともに、スプレッドと上手に付き合える取引ルールを確立させることが一番初めにやらなければいけない事だろう。

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